監査法人での仕事は向き不向きがあるのか?
公認会計士が働く代表的な職場に監査法人がある。
監査法人とは、いわゆる大企業の会計が適正に行われているかどうかを監査する法人のこと。
基本的に上場企業と、上場していない大企業、そして、上場しようとしている企業が主な得意先である。
どんな仕事をするかざっくりいうと、ひたすらエクセルで分析をしたり、証憑突合をするなどして、監査調書を作成していく。
俺はエクセルを触ること自体が好きで、特に関数を駆使して便利にするなどという意味不明な行為が大好きという特異な体質なので、仕事をしていて苦痛を感じることはないけど、人によっては嫌になるかもしれない。
年次が上がると、監査計画を作成したり、会社との折衝を行ったり、アサインの調整をするなど、仕事が少しずつ変わっていく。
そのうち営業をするようになり・・・と、普通の会社なら専門の人がやることをなぜか公認会計士が担当しているのが監査法人という組織だ。
実はけっこう辞める!離職率が高い職場
どうだろう。
感覚的には3年で30%ぐらいが辞めるんじゃないだろうか。
もちろん、法人や事業部によって異なるとは思うけど、少なくとも10%ということはない印象。
辞める理由を列挙してみた
- 独立する(非常勤になる、税理士事務所を開業する等)
- 独立するために、税理士事務所等へ転職する(もともとそのつもりだった)
- 仕事が合わないので嫌になって転職する
- 嫌な上司等がいて転職する(普通は別の部署へ異動させてもらうことも十分可能)
- 普通の会社で働いてみたくなって転職する
- IPO準備会社等へやりがいを求めて転職する
- 昇進できなくなって仕事がなくなって転職する
- 折れる笑
ざっくりいうと、転職するか、独立するか。
つまり、次の仕事に困ることがないというのは共通してて、公認会計士で転職に困るような人はそもそも個人に問題があると思われる。
折れるってのは、勉強しかしてこなかった人が主査業務等についた結果、人との折衝の矢面に立ったり、能力的な問題で仕事が捌ききれなくなって、気持ちが折れてやめることがある。
あと、仕事がきつくて辞める人も多かったが、今は22時になるとPCが起動しなくなったりするので、体力的に死にそうって状態にはなりにくいと思う。
あくまで精神的に難しくなる印象。
実はつぶしがきく職業
実は!ってのは変な表現かもw
さっきの話で、基本、独立か転職かって書いてたやん?
個人的な感覚だけど、転職するのに困るというか、どこにも転職先がないということはあり得ないと思う。
最低限のコミュニケーション能力があることが前提だけど。
最低限のコミュニケーション能力っていうのは、美容師や水商売レベルの話ではなくて、普通に会話で受け答えできるというレベル。
だって、会計や税務って、企業の大小を問わず必ず存在するし、公認会計士で監査経験があると、上場企業で監査対応という仕事が必ずある。
特に小規模な上場企業では重要な存在になり得るし、転職後にけっこう偉くなる人も多い。
少なくとも、貧困層になる心配は無いと思う。
あと、監査が嫌でなくて、ある程度の監査能力があって、法人や同僚から特別に嫌われていなければ、監査法人の非常勤職員となってアルバイトで食いつなぐことも一般的に多くある。
さっきの独立の非常勤の話で、だいたい日当5万前後でアルバイトできるので、飯を食うに困ることはない。
特に中小監査法人では、常に非常勤を募集しているので、仕事に困ることはない。
向き不向きって?
向き不向きってあるという話がメインでしたよね。
これは実際にある。
監査そのものというより、俺は個人の問題に起因すると思ってる。
例えば、社会を知らず学生のうちに公認会計士試験に合格し監査法人で働いた場合だと、前職という比較対象もないから今が良いか悪いか分からないこともあるだろう。
会社から粗末に扱われて、会社や社会へ貢献している実感がわかず転職する人もいる。
でも、何の能力も無い経験が浅い会計士だったら当たり前のことだけど、それが苦痛になって辞めたりする。
また、勉強しかしてこなかった…つまり、学生時代に遊んだり、部活動をしてこなかった人の中には、コミュニケーション能力が著しく欠如していることが原因で辛くなって辞めることがある。
監査法人って、一般企業を基準にすると、考えられないぐらいフラットな組織。
正直、これでダメだったら普通の会社とか絶対に無理。
上司は基本的に丁寧に接してくれるし、多少遅れても問題にならないし、疑問に思った点や自分の意見を言ったという事実だけで阻害されることもない。
上司もみんな基本的に監査に真摯に向き合っている人が多いから、意見については必ず耳を傾ける。
下からの意見を吸い上げて、監査意見を形成する訳だから当然と言えば当然。
話が逸れましたw
で、これでもダメな人が一定数存在する。
だって、そもそも客は公認会計士ではないですよね。
クライアントとのトラブルというか、会計上の認識の相違や、会計上のトラブルがあると、クライアントと話し合う必要があるし、下位のスタッフとのコミュニケーションが必要なこともある。
こういう状況でパンクする人も一定数いる。
まぁ、どんな仕事してもダメだろうし、体育会系の企業へ転職してしまうと、監査法人がどれほど緩かったか痛感することになるんでしょうけど笑
まー、どこにでもある問題が監査法人にもあるけど、コミュニケーション能力がない人の割合が一般企業より多いってのはあるかもしれない。
トップクラスの天才を除いた一般的な会計士で、ある程度コミュニケーション能力が高いと思われる人であっても、コミュニケーション能力の低い美容師・ホスト・キャバ嬢と比較するとコミュニケーション能力は低いと俺は思うw
Conclusion/
他の仕事と同じ程度に向き不向きはあると思うが、公認会計士・監査法人だからといって特別な向き不向きがあるとは思えないし、そう思うとすればどこへ行っても無理だと思う。
ただ、大事な点。
監査法人では公認会計士であることがデフォルトなんです。
つまり、公認会計士資格に「希少性」はない。
特別でもなんでもなくて、公認会計士という資格を土台にして、そこから他の能力を駆使した戦いが始まる。
一般企業と同じ。
一般企業なら、学歴という土台の上に熾烈な競争が繰り広げられるやん?
入れば学歴も何も関係ない。(学閥とか多少はあるかも)
ただ、結果が求められる。
でもね、俺は楽だと思う。
そもそも、コミュニケーション能力の低い人の割合が多いので、一般的なコミュニケーション能力レベルで十分に戦えると思う。
ただ、コミュニケーション能力が備わっていない人たちの偏った能力もなかなか凄いので、そのあたりを上手くキャッチアップできれば無双すると思う。
俺はけっこう気に入っている。
あと数年は働こうと思う。
そのあとのことは分からんけど、まー飯は食えるやろ。
誤解しないで欲しいのは、飯を食えるってのは年収500万とかじゃないからね。
今後、何があっても年に数回は海外旅行へ行っても貯蓄できるレベルの生活ができるだろうと思う。
俺も、「監査法人では」、コミュニケーション能力が低い方ではないからw
次はもうちょいしょうもない話を書きたいな~
-
前の記事
40歳で公認会計士になる理由 2021.03.14
-
次の記事
雑記ブログへ! 2021.04.06