あの後…

あのあと・・・

刑務所へは行っていない。

でも、地獄がそこにあった。

排除

公認会計士試験は激烈に難しい。

当然だ。

日本の資格では、司法試験と並ぶ難しさ。

司法試験の予備試験を別にすると、おそらく最難関。

司法試験と異なり、法律だけでなく計算ができるという問題が加わる。

ある意味、総合力が求められる試験。

それだけに、多くの会計士は非常に高い倫理観に加えて、非常に高いプライドを持っている。

最難関の試験に、努力と才能だけで到達した自負。

幼少期から死ぬほど勉強して、超難関大学へ入ったような人たちが主要な受験層であるのがこの試験だ。

しかも、大学院や大学の名前は全く無関係。

超難関大学へ行ったところで合格率が上がることは決してない。

東大でさえ半数以上が落ちるのだ。

そんな試験に俺が合格したことは、会計士たちにとって不都合な事実だった。

ガキの頃からあんなに努力して…

難関大学へ行ったのにそこから死ぬほど勉強して…

やっと得た栄冠。

でも、それは中卒の元犯罪者でさえ合格する試験だった。

赦せない…

そう感じるものが多数いたとしても、俺は彼らを

「小さいやつらだ」

「狭量なやつらだ」

「能力と向き合え」

「この試験は能力だけが問われている」

などと責めることはできない。

それほどに困難な試験なのだ。

そして、この世界は資格だけで上へ行ける世界でもない。

そう、それだけ勉強に捧げてきた彼らでさえ、業界へ入ると勉強以外の能力で選別され、苦汁を嘗めているのだ。

勉強に人生を捧げた故に喪われたパーソナリティとコミュニケーション能力。

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会計士にはコミュニケーション能力が必須なのだ。

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人生を勉強に捧げたにも関わらず好きな女どころかブスの彼女さえできない俺に比べ、この糞は好き勝手に生きて、数え切れないほどの女とキメセクし、今、自分と同じ公認会計士になっている。

こんな不条理が赦されるだろうか。

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否、赦されまい。

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そして、会計士からの攻撃が始まる。

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